温故知新という言葉がありますが、
どんなことでも起源があり、その成り立ちを知れば
今起きている出来事に対する理解も深まると考えています。
普段相場に関わっていると、様々な用語を日々目にしますが、
一つ一つの言葉の意味や仕組みを、きっちり理解して
話せているかというと、そうではないと思うのです。
分かっている風に話していても、その実ふわふわとした話にしかならないのは、
歴史的な背景を理解していないことが原因にあると感じています。
1年くらい歴史本を読み漁るような日々をいつか送りたいと思っていますが、
今回は金融の歴史を追いかけてみようと思います。
4年ほど前の本になりますが、アマゾンでのレビューも悪くないので、
今回はこの本を読んでみます。
引用部分はすべて本書からです。
「金融」という言葉は英語のfinanceに対してあてがわれた明治時代の造語だと言われています。福沢諭吉の「西洋事情」中に「金貨の融通を盛んにし世の便益となり」とありますから、この「金貨の融通」が短く省略されたのでしょう。
まえがきの部分からですが、「金融」ということば、そういえばお金を融通するというような説明をよく聞くのですが、明治時代に作られたんですね。歴史の本を読みあさりたいと書きましたが、語源を追いかけるだけでも面白いかもしれません。
一方で、英語で「金融」を意味するファイナンス(finance)は、十七世紀頃から見られますが、接頭語のfinはフランス映画のエンドロールのfin=The End と同じで、 もともとは借金を終わらせて完済することを意味していました。
一対一のお金の貸し借りの場合、借りた人は利子と元本返済の起源を借用証書に書いて、お金を貸してくれた人に渡します。これが金融の基本形であって、後述しますがメソポタミア文明の時代に既にみられます。
メソポタミア文明というとチグリス・ユーフラテス川の流域で発生した古代文明のことですよね。メソポタミアと呼ばれる単一の文明ではなく、流域に発生した複数の文明を総称した呼び方のようです。時代は紀元前に遡るというので、それほど前から金融という概念は存在したようです。粘土でできた借用証書も残っているとか。
しかし仲間内でしか取引が成立しないため、
もっと大きな金額で貸し借りを行うことができなかったようです。
そこで専門の仲介業者が登場してきます。仲介業者は借用証書に対してお金を貸してくれる人を仲間内以外のコミュニティーから探してきます。
中略
借りての発行した借用証書に対して貸してが直接お金を有しするのが直接金融です。
直接金融とあるので証券業務を担っていた人々、今でいう証券会社でしょうね。個人向けに金融商品を売っている支店ではなく、本部の方。
金持ちで信用のある人が、とりあえず貸したいという人のお金を全部借りて(預かって)、その資金をプールして
中略
そのプールしたお金の中から随時貸し出していきます。
借りるたびに貸し手を探すのは面倒ですぐに資金が必要でも借りれないこともある。
そこで生まれたのが今でいう銀行で、貸し手と借り手には直接の貸し借りは無いので間接金融と呼ばれる。 そして預金が一度にお金を引き出されないことを見越して預かった金額よりも多めに貸し出しています。(信用創造)
債券には基本的にいついつまでにお金を返せと返済期限があるけれども、株式にはそれがないのが特長です。
株式の説明もありました。返済期限も昔はあったものの、短いスパンで返済を迫っても儲けがでないので意味がないため、返済期限を無くして元本返済や利子をもらえないというリスクを取り、儲けたら儲けた分の利益をもらうという仕組みになっていったようです。
人によっては株を好み、また別の人は確実な融資や債券を好み、リスクとリターンを比べてそれぞれにあった形で融通しあうようになっていきます。
以上の引用部分はまえがきからでしたが、それでも金融の仕組みについて
とても勉強になる部分が多いですね。
これだけでもこの本を買ってよかったと思います。
続きも1章ずつ、ぼちぼちと読み進めながら書いていこうと思います。